フランスは屋根が面白い。屋根の姿から歴史や人間生活が感じられるからだ。南仏の古い家のテラスから田園を臨む:友人の家の二階のテラスからの風景。何世紀か前にできたこの家の屋根瓦は何度もの修理を経て砕けたり煤けたりして稜線は波を打っている。テラスではアペリティフを飲みながら友人たちとよもやま話に耽る。乾燥した夏の夕方の寛いだひととき。(2018.7.16.)
左のスケッチ画を水墨画にして2019年に水墨画展に出品したもの(30号)
友人マリ・クリスチーヌが夏に過ごす別荘は、南仏の人口200人ばかりの小さな村にある。何度目かの誘いを受けてそこで長居させもらった。中世に出来た石造りの大きな古い家で、テラスに上がると周りに隣家やその向こうの田園が目に入る。屋根は古びて稜線も歪み、瓦も黒ずんだり欠けたりしていて、そこが面白くて何枚も屋根の画を描いてしまう。となりに古い教会があって夕方になると鐘が大きな音で辺りに響き渡る。(2018.7.17.)
これは南仏カルカソンヌにある中世の城壁の街(Cité médiévale)から見た外部の街の家並みの様子。中世の都市の要塞から、乾燥した夏の風景の中で往時を偲んだ。(2018.7.11.)