スケッチ:フランス編3

秋深まる「コローの池」(1983.11.4.)     Etang de Ville d’Avray, banlieue parisienne, Novembre 1983
サンジェルマン・アン・レイ風景(1983.8.12)   Une vue panoramique de St. Germain en Laye, août 1983
朧月聖堂(2020年日本南画院第60回記念展に出品(佳作賞、120号)   Cathedral Notre Dame de Senlis au claire de lune
サンリスのノートルダム大聖堂(1983.9.7.) Cathédrale Notre Dame à Senlis, septembre 1983

パリ郊外のヴィル・ダヴレイは小さい町だが、その面積の3分の2ぐらいが森や緑で覆われている。第2回目のパリ勤務ではこの町が気に入って3年半ほど家族と一緒に住み、二人の娘は近くの小学校と幼稚園に通った。ここには画家コローが好んで描いた池があり子供たちを連れてよく行った。随分昔に日本で見た白黒のフランス映画「シベールの日曜日」はここが舞台だ。その映画によく写った「コローの池」の周辺も晩秋には紅葉で彩られ、冬の池や森には靄が漂う。

サン・ジェルマン・アン・レイの高台から街を見た眺望は壮観だった。

四半世紀前にパリ北方サンリス市のノートルダム聖堂をスケッチしたものが元画。日中に描いたものだが、荘厳な雰囲気に合わせて朧月夜を想定して水墨画に仕上げた(2020年日本南画院第60回記念展は結局コロナウィルス感染拡大で幻の展覧会となった。)。

パリの北方60キロぐらいのサンリス市のノートルダム大聖堂の荘厳さに惹かれてスケッチした。複雑で精緻な建物の構造描写は難しく、何回かに分けて描いたが、あとから見ると細部にチグハグなところが見える。最近になって、これを120号の水墨画で描いてみた(が、精緻さより雰囲気を表すべく、朧月夜の聖堂を想像して描いてみた。果たして結果は?左側の「水墨画」をご笑覧ください。